横浜みなとみらいホール コンポーザー2025-2027
梅本佑利 音MAD ~デジタル・マキシマリズムと音楽~

主催・共催公演

アニメ、インターネット・カルチャーと音楽の交差

世界が注目する作曲家・梅本佑利(2002年生まれ)をホールコンポーザーに迎えます。新作委嘱作品に加え、梅本がキュレーションした多様な音楽作品を、辻 彩奈(ヴァイオリン)、山澤 慧(チェロ)、高橋優介(ピアノ)、今井慎太郎(エレクトロニクス)ら気鋭の音楽家たちが披露します。
作曲家・梅本佑利らによるアフタートークも予定しています。デジタル時代における多様な音楽表現の一端を、ぜひ会場でご体感ください。

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公演情報

日時 2025年9月11日(木) 19:00開演(18:30開場)
会場 小ホール
出演 ヴァイオリン:辻 彩奈
チェロ:山澤 慧
ピアノ:高橋優介
エレクトロニクス:今井慎太郎
曲目 梅本佑利:look at me, senpai (2024) for violin, cello and fixed media
梅本佑利:萌え²少女 (2022) for cello and fixed media
梅本佑利:スーパーバッハボーイ (2020) for cello
梅本佑利:Heidenröslein (2025) for piano and fixed media(日本初演、ピアノ版:世界初演)
梅本佑利:aaaaa for piano and fixed media (2025)(本公演委嘱作品、世界初演)
梅本佑利:my girl friend is not like me for violin, cello and fixed media (2025)(本公演委嘱作品、世界初演)
ベン・ノブトウ:LUCID for piano and electronics (2020)
ヤズ・ランカスター:Monroe Park (2021)
エマ・オハロラン:To turn in Circles (2021)
マティアス・クラネビッター: pitch study no.1 - contra violin (2016) for violin,2-channel-playback
山根明季子:状態 No.2
料金 全席指定
一般:3,000円
65歳以上の方、大学生、障がい者手帳をお持ちの方*:2,500円
高校生以下:2,000円

*横浜みなとみらいホールチケットセンター電話‧窓口のみ取り扱い
未就学児入場不可
主催横浜みなとみらいホール(公益財団法人 横浜市芸術文化振興財団)
助成公益財団法人かけはし芸術文化振興財団、文化庁文化芸術振興費補助金(劇場・音楽堂等機能強化推進事業[地域の中核劇場・音楽堂等活性化事業])│独立行政法人日本芸術文化振興会
チケットお取り扱い 車椅子席をご希望の方は、横浜みなとみらいホールチケットセンター(電話・窓口)にてお申込みください。
お問合せ 横浜みなとみらいホールチケットセンター :045-682-2000
営業時間:電話 10:00~17:00/窓口 11:00~19:00(休館日・保守点検日を除く)
出演者プロフィール
梅本 佑利(うめもと・ゆうり|作曲)
2002年東京生まれ。伝統的な楽譜と現代のデジタル表現を横断し、日本のアニメやインターネット文化から着想を得たマキシマリスティックな美学を探求している。これまで、弦楽器、管楽器、ピアノといったアコースティック楽器、大小のアンサンブル、オーケストラのために作品を手がけ、国内外のソリスト、アンサンブルによって演奏されている。作品は、テューリンゲン・バッハ週間、ムジカ・ノヴァ・ヘルシンキ、ポディウム・エスリンゲン、zamus古楽祭、ケーテン・バッハ音楽祭、東京・春・音楽祭、ボンクリ・フェスなどで取り上げられている。
©2024 Sophia Hegewald
辻 彩奈(つじ・あやな|ヴァイオリン)
1997年岐阜県生まれ。2016年モントリオール国際音楽コンクール第1位。モントリオール交響楽団、スイス・ロマンド管弦楽団、トゥールーズ・キャピトル管弦楽団、山形交響楽団、NHK交響楽団、読売日本交響楽団、東京都交響楽団など国内外の主要オーケストラと共演している。2018年「第28回出光音楽賞」、2023年「第24回ホテルオークラ音楽賞」を受賞。小林健次、矢口十詩子、中澤きみ子、小栗まち絵、原田幸一郎、レジス・パスキエの各氏に師事。東京音楽大学卒業。2019年、ジョナサン・ノット指揮/スイス・ロマンド管弦楽団とジュネーヴおよび日本にてツアーを実施し、その艶やかな音色と表現によって各方面から高い評価を得た。2020年、自らが権代敦彦に委嘱した「Post Festum」を世界初演。コロナ禍にあって国内公演の代役で幅広く活躍したことは、レパートリーを広く拡充すると共に、経験を深く積むことにつながった。NPO法人イエローエンジェルより貸与のJoannes Baptista Guadagnini 1748を使用。

©Makoto Kamiya
山澤 慧(やまざわ・けい|チェロ)
古典作品の演奏と並行して現代曲の演奏や新作委嘱を積極的に行っている。20世紀以降に書かれた無伴奏チェロ曲のみによるリサイタルシリーズ「マインドツリー」を2015年より主催(うち6年連続で梅本佑利氏に新作委嘱)。ほかに「邦人作曲家による作品集」「デュオリサイタル」「ピアノ三重奏」シリーズなど、新しい試みを展開している。横浜みなとみらいホールとの繋がりも深く、2024年には「現代作曲家シリーズJust Composed in Yokohama」「埋立地での音楽 汽車道パレード ―本田祐也と梅本佑利―」に出演した。 音川健二、藤沢俊樹、河野文昭、西谷牧人、鈴木秀美、山崎伸子、M.Kasperの各氏に師事。文化庁新進芸術家海外研修員として、フランクフルトにて研鑽を積む。藝大フィルハーモニア管弦楽団首席チェロ奏者、千葉交響楽団契約首席チェロ奏者。
©Ayane Shindo
高橋優介(たかはし・ゆうすけ|ピアノ)
上野学園大学音楽学部ピアノ科を卒業。 第10回東京音楽コンクールピアノ部門第1位及び聴衆賞受賞。 NPO 法人芸術・文化 若い芽を育てる会第5回奨学生。 ピアノを齋藤由里子、横山真子、宮本玲奈、横山幸雄、久保春代、川田健太郎、草冬香各氏に師事。在学中から作曲を高畠亜生、田中範康各氏に師事。これまでに、飯森範親、前橋汀子、上野耕平、三浦一馬ら各氏と共演。ヴィオリストの今井信子氏が毎年冬に開催していた小樽ヴィオラマスタークラスで3年間アシスタ ントピアニストを担当。ソロだけでなく室内楽やピアノデュオとしても意欲的に活動。2020 年にピアニスト・作曲家の山中惇史とのピアノデュオ『176』(アン・セット・シス)を結成。自らの編曲によりオーケストラ作品の演奏に挑み、第 1 弾として『レスピーギ/ローマ三部作』をメインに演 奏会を開催、同時にカワイ出版より楽譜出版、ライブレコーディングもされた。2021年10月にはアルバム『ジョン・ウィリアムズ・ピアノコレクション』をエイベックス・クラシックスより発売。
©Ayane Shindo
今井 慎太郎(いまい・しんたろう|エレクトロニクス)
コンピュータ音楽家。国立音楽大学およびIRCAMで学び、文化庁派遣芸術家在外研修員としてドイツのZKMにて、またDAADベルリン客員芸術家としてベルリン工科大学にて研究および創作活動を行う。2008年よりバウハウス・デッサウ財団にてバウハウス舞台の音楽監督を度々務める。ブールジュ国際電子音楽コンクールにてレジデンス賞、ムジカ・ノヴァ国際電子音楽コンクール第1位、ZKM国際電子音楽コンクール第1位などを受賞。2015年に作品集『動きの形象』を発表。近年は渋谷慶一郎とともにヒューマノイドロボットによる音楽実践に取り組んでいる。また、ブーレーズ《レポン》、マヌリ《パルティータ》《ウェルプリペアド・ピアノ(第3ソナタ...)》等、大規模なライブコンピュータ・エレクトロニクス作品の上演を手がける。現在、国立音楽大学准教授および大阪芸術大学客員教授。
https://www.shintaroimai.com./



作曲家プロフィール

予定しておりました《Monroe Park (2021)》については、作曲者(ドニア・ジャラー、ヤズ・ランカスター)の意向により本公演で演奏をいたしません。
下記URLより、作曲者による演奏をお聞きください。
https://youtu.be/GDc6RRI9V5I?si=rrZtVvpn1z_YBGMm 

ベン・ノブトウ(Ben Nobuto|作曲家)
イギリスと日本のルーツを持つ作曲家、ピアニスト、プロデューサー。作曲において「ポストモダン」、「徹底的に現代的」、「音響的にまばゆい」と評された。インターネット文化やポピュラーな表現を取り入れたシュールな音楽的手法で評価されている。アコースティックとエレクトロニクスを組み合わせ、「人間」と「非人間」の関係性を重視している。 マンチェスター・コレクティブ、バーミンガム市交響楽団、リゲティ・カルテットなどから委嘱される。合唱作品「Sol」でIvors Classical Awardを、「SERENITY 2.0」でRoyal Philharmonic Society Awardを受賞。 BBC Proms、ロンドン・ヘンデル・フェスティバルで作品が演奏される予定。2025年リリース予定のデビューアルバムも制作中。ケンブリッジ大学で学び、2019年にBliss Prizeを受賞。 https://bennobuto.com/about 
© Manchester Collective _ Phil Sharp
エマ・オハロラン(Emma O'Halloran|作曲家)
アイルランド出身。彼女にとって音楽は「人間であることの魔法(joy, wonder, hope, connection)」である。アコースティックとエレクトロニクスを融合させ、現代音楽、オペラ、演劇などの分野で作品を手掛ける。「非常に美しい」(ワシントン・ポスト)、「束縛されず、本物で、喜びに満ちている」(I Care If You Listen)と評され、様々な演奏会、音楽祭で取り上げられている。近年のオペラ作品「TRADE」と「Mary Motorhead」は、LAオペラやニューヨークの PROTOTYPE Festival での公演で絶賛を浴び、ロサンゼルス・タイムズ紙からは「現代のモンテヴェルディ」と称されました。プリンストン大学で音楽作曲の博士号を取得。現在はフリーランスの作曲家としてアメリカ、アイスランドで活動している。
https://www.emma-ohalloran.com/

マティアス・クラネビッター(Matthias Kranebitter|作曲家)
ウィーン出身。メディア社会をテーマに探求することで知られ、密度の高いサウンド・スケープを用い、「皮肉的でありながら、それに相反する感情を歪めた形」で作曲している。その音楽スタイルは、アール・ブリュットを目指している。グスタフ・マーラー作曲コンクールやガウデアムス音楽週間など、国際的な音楽賞を受賞。クラングフォラム・ウィーンやタレア・アンサンブルとコラボレートするほか、アンサンブル「Black Page Orchestra」の創始者であり、音楽フェスティバル「UNSAFE+SOUNDS FESTIVAL」の共同発起人としても活動している。
https://matthiaskranebitter.com/
©Igor Ripak
山根明季子(Akiko Yamane|作曲家)
日本を拠点に、作曲、ディレクション、実験音楽等の演奏、視覚芸術まで横断的に活動。過剰な消費や管理、少女性、ポップカルチャーといった大きな仕組みやその痛みに関する主題を多く扱い、これまでに国立劇場、N響ミュージックトゥモロウ、ワルシャワの秋、サントリーホールサマーフェスティバルなどで作品を制作上演している。作曲作品に琵琶とオーケストラのための「ハラキリ乙女」、任意の編成のための「カワイイ^_−☆」、「状態」など。2024年には両国アートフェスティバル「二次創作」芸術監督を務め、音を介した探究や対話の場をつくることを続けている。
https://akikoyamane.com
© Ayano Sudo
ドニア・ジャラー(Donia Jarrar|作曲家)/ヤズ・ランカスター(Yaz Lancaster|作曲家)
Monroe Park (2021)は、ヤズ・ランカスターが語りを、ドニア・ジャラーが作曲を手がけた共同作品。ランカスターは黒人系アメリカ人として、クィア、DIY、そして解放をテーマにした実験的なエレクトロ・アコースティック作品を制作し、ジャラーは、移民第一世代エジプト系・パレスチナ系アメリカ人で、パレスチナ人女性などの口述歴史を取り入れる作曲で知られている。「Monroe Parkの演奏を今回は控えることにしました。
本作は、パレスチナ系および黒人系アメリカ人としての私たちの個人的な経験が深く込められており、私たち自身の演奏でなければ、作品の本質的な感情が観客の皆様に十分に伝わらないと判断しました。直接お聴きいただけないことは残念ですが、この作品が収録された動画を通じて、その真意を感じ取っていただければ幸いです。」(作曲者より)
https://youtu.be/GDc6RRI9V5I?si=rrZtVvpn1z_YBGMm