コラム

2024年度 ホールオルガニスト・インターンブログ【第4回】

2024年11月10日 (日)

こんにちは!ホールオルガニスト・インターンシッププログラム、第20期生の中川です。
やっと肌寒い季節になってきましたね。秋と言えば、「食欲の秋、芸術の秋」でありますが、私にとっては「ふれあいの秋」です。ルーシーと一緒に沢山の方々と素敵な時間を共有することができ、秋を満喫しています。今回はその一部をご紹介します。

9月初旬に行われた「芸術ジム パイプオルガンと太極拳」は、パイプオルガンの音色に合わせて太極拳を体験するというイベント。私はオルガンアシスタントとして参加させていただきましたが、後半は参加者の方と一緒に太極拳もしました。
パイプオルガンと太極拳って何の関係があるの?と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、パイプオルガンを演奏するにあたって必要な呼吸法や身体の使い方を、太極拳を通して学ぶことができるのです。今回はそんなパイプオルガンの音色と太極拳体験で心も身体もリフレッシュしよう!という企画です。

今回オルガン演奏を担当されたのは、初代横浜みなとみらいホール ホールオルガニストの三浦はつみ先生。三浦先生は、私が大学時代から師事している先生で、以前、先生の通っている太極拳のクラスに参加したことがあります。太極拳の動きが見た目よりも難しく、身体が思うように動かなかったことを覚えています。
今回のイベントには年配の方から若い方、仕事帰りの方、太極拳初心者、経験者と幅広い方々が参加されていました。皆さん動きがスムーズで驚きました。そしてちょっと意外だったのが、ラヴェルの音楽が太極拳にとてもマッチしていたことです!
パイプオルガンの響きの中での太極拳、短い時間でしたが参加された方は身も心もリフレッシュできたのではないでしょうか?

太極拳指導者の池田和彦先生、オルガニストの三浦はつみ先生と、スタッフの皆さん
「パイプオルガンと太極拳」実施中の様子

9月中旬にはみなとみらい地区に勤務されている方との交流イベントもありました。
「横浜みなとみらいホール 夜のホール探検ツアー」と題して、近隣で働いている方とそのご家族にホールをより身近に感じていただくため、スタッフによるホールツアーと横浜みなとみらいホール ホールオルガニストの近藤先生によるミニコンサートが行われました。

コンサートの後には、ホールホワイエでドリンクを片手に交流会があり、色々な方とお話できました。お昼の休憩時間に「オルガン・1ドルコンサート」に足を運んでいただいている方や、趣味で楽器演奏をされている方もいらっしゃり、話は尽きることがなくあっという間に時間が過ぎてしまいました。
ミニコンサートで演奏されたL.ヴィエルヌ作曲《オルガンのための幻想曲第3番》より〈ウェストミンスターの鐘〉は、近藤先生の足運び(足鍵盤の動きやスウェルシャッター*での強弱の付け方など)が凄くてこちらも話題になりました。
*オルガン上部のシャッターの開閉により、音量の強弱がつけられる。

横浜みなとみらいホールはオフィスや商業施設に隣接しており、近隣の方のご理解ご協力があってこそのホールなのだと感じました。みなとみらい地区で働く方々にとってもホールが楽しめる空間、安らげる空間になっていただけていたら嬉しいです。

スタッフによるホールツアーの様子

10月の「心の教育ふれあいコンサート」。
既に前のコラムで横浜市教育員会事務局の三宅智恵先生が詳しく内容や趣旨を紹介されているので詳細は割愛しますが、今年は10日間20公演で約3万人(横浜市立の小学校・特別支援学校の小学4-6年生と教職員の方、プラス一般の方)の方が鑑賞しました。

鑑賞した小学生の半数以上が、クラシックコンサートを生で聴くのが初めてだったようです。私にとっても1,000人以上の方の前でお話し、演奏させていただくのは初めての経験でした。公演に向けて、司会を担当されたアナウンサーの岩崎里衣さんによるMC研修、近藤先生のレッスンがあり、さらにホールのスタッフの方から色々アドバイスをいただきながら万全の準備をして当日を迎えましたが、やはり初日はとても緊張しました。
しかし、回数を重ねるごとにお客様の暖かい拍手やこどもたちとのちょっとしたかけあいの中で気持ちが落ち着き、この豊かな時間を一緒に味わい、楽しみたいなと思い、最終日はこの時間が終わって欲しくないと感じてました。 神奈川フィルハーモニー管弦楽団との共演もとても貴重な経験で、今後の演奏活動に活かしていきたいと思います。

私が今回出演したのは第1クール(10月1日~3日)でした。第2クール(オルガン:近藤先生)、第3クール(オルガン:趙さん)は観客として参加しました。同じプログラムなのに、指揮者や演奏者が違うと全く違う音楽になるのを目の当たりにしました。集まってくださるお客様によって創り出される空間も毎回さまざまで、まさに一期一会、それが音楽の醍醐味かなと思います。
今回集まってくださった皆さま、これからも是非、生の演奏を聴きにホールへいらしてくださいね! 

左から神奈川フィル コンサートマスターの石田泰尚さん、私中川美香、司会の岩崎里衣さん、指揮の小林雄太さん

11月~12月もオルガンのイベントがありますのでご案内します。

★第248回オルガン・1ドルコンサート 音楽の贈りもの【出演:永見亜矢子】
11月20日(水) 12:20開演
詳細はこちら


★クリスマス・パイプオルガン・コンサート2024
【出演:浅井美紀、きりく・ハンドベルアンサンブル】 
12月19日(木) 18:00開演
詳細はこちら

「ホールオルガニスト・インターンシップ・プログラム」

 横浜みなとみらいホールが2002年より実施している、若いオルガニストを対象とした、ホールオルガニストに必要な資質を習得するための研修制度です。
★詳しくはこちらをご覧ください。