コラム

ホールオルガニスト・インターンブログ【第4回】

2023年11月17日 (金)

こんにちは!ホールオルガニスト・インターンの中澤です。

いつの間にか涼しくなって秋がやってきました。
秋といえば、食欲の秋、スポーツの秋、そしてやっぱり…芸術の秋!ですね。

先々月のことになりますが、9月は「令和5年度 こころの教育ふれあいコンサート」でたくさんの子どもたちと一緒に芸術と触れ合う時間をすごさせていただきました。

横浜市内の市立小学校・特別支援学校等の4~6年生を対象におこなっているこちらのコンサート、全3クールのうち、私も第1クールと第2クールでオルガンの演奏と解説で出演させていただきました。

今回のコンサートには、事前にMC研修、構造研修を受けてから臨みました。
(研修の詳しい様子については、前回の阿部翠さんのブログをぜひご覧ください!)

大きな空間でお客さまにしっかりと言葉を伝えるということは、想像していたよりも多くの準備が必要なことでした。
コンサート当日も、オルガンの演奏のリハーサルを終えた後、楽屋で声出しをしてからのぞみました。

いざコンサートが始まってみると、お客さまからのエネルギーに驚きました!
オルガンのコンサートは基本的に大人のお客さまが多いので、1000人を超える子どもたちの前で演奏をするのは初めての体験でした。
背中越しに、たくさんの方々が好奇心を持って音楽と接してくださっていることが伝わってきて、とても嬉しかったです。


さて、今回はソロでの演奏のほかに、R. シュトラウス:交響詩《ツァラトゥストラはかく語りき》より 冒頭部、エルガー:行進曲《威風堂々》第1番を、神奈川フィルハーモニー管弦楽団さんと一緒に弾かせていただきました。

たまにお客さまに尋ねられるのが「オルガニストって後ろ向きなのにどうしてオーケストラと合わせられるの?」というご質問です。
答えは、最初の写真の中にあります。
私の右側、オルガンの演奏台にモニターがあるのが見えますでしょうか? 演奏中、このモニターには指揮者、コンサートマスターが大きく映し出されます。
オルガニストは、その様子を見ながら演奏しているんです。

矢印がついているところにご注目!


そして実は…このモニターには、指揮者のすぐ近くのお客さまの様子も映っています。
演奏が始まる前の期待感に溢れた様子、大音量にびっくりした表情、真剣に指揮者やオーケストラの方の動きを見ている方の視線…など、お客さまの様子がとても印象に残っています。

今回は全部で7日間14公演で演奏させていただきましたが、お客さまの雰囲気に合わせて、オーケストラの皆さんの演奏や、司会の岩崎里衣さんのMCが少しずつ変わっていたことも印象的でした。

今の時代、録音や録画では繰り返しまったく同じ演奏が聴けますが、生のコンサートはその場かぎりのものです。
それは、お客さまを含めてその空間にいるすべての人たちで、ひとつの作品を作っていくような奥深さがあるものだと思います。
今回のコンサートでは、そのようなことをひしひしと感じました。


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さて、11月22日(水)12:20からの第242回オルガン・1ドルコンサートには小島弥寧子さんがに出演してくださいます。
小島さんはホールオルガニスト・インターンシップ・プログラムの先輩でもあります!(小島さんは第2期生)

スペインのオルガン音楽の研究をライフワークとされている小島さんならではのヴァリエーションに富んだプログラム、ぜひ聴きにいらしてください。
私もアシスタントとしてお手伝いをさせていただく予定で、今からとても楽しみです。

★2023年11月22日(水) 12:20~12:50
 「第242回オルガン・1ドルコンサート ~ルーシーに花束を!~」 
  出演:小島弥寧子
  ▶詳細はこちら



それでは、またホールでお会いしましょう!


ホールオルガニスト・インターンシップ・プログラム 第19期生 
中澤 未帆

「ホールオルガニスト・インターンシップ・プログラム」

横浜みなとみらいホールが2002年より実施している、若いオルガニストを対象とした、ホールオルガニストに必要な資質を習得するための研修制度です。
★詳しくはこちらをご覧ください。