インタビュー

レセプショニスト~コンサートホールを支える

2023年5月28日 (日)

横浜みなとみらいホールではいま公演を支えるレセプショニストを募集しています。
来場されるお客様を笑顔とおもてなしの心でお迎えするレセプショニストという仕事の魅力について、昨年10月から新人として勤務をスタートしたレセプショニストの長田純一さんと星香奈子さんの二人に話を聞きました。

「憧れの存在であるホールで働く」

長田さんがレセプショニストをやってみようと思ったきっかけを教えてください。

子どもの頃ピアノを習っていた関係で何回も家族で横浜みなとみらいホールに来ていて、憧れの存在ではありました。募集のタイミングが合わなかったこともあり諦めていましたが、ちょうど去年の今頃、たまたまホームページで募集を見つけて、すぐに申し込みました。

過去に結婚披露宴の会場で働いたことはありますが、やはりホールのレセプショニストと求められるものは全く違います。ですが式場での仕事を通して学んだ、立ち居振る舞いなどは今の仕事に活きているなと実感しています。

勤務開始から半年ほど経ちますが、だいぶ慣れてきた頃でしょうか。
業務を行う上で苦労した点や印象的だったことなどありますか?

最初は何もわからなかったので、扉を開ける動作一つとっても、どちらの扉をどのように開けるのかなど、そういうところから覚えるのが大変でした。あとは遅れていらしたお客様を、楽章間で客席内にご案内するのは未だにとても緊張します。時間が限られている中で、お待たせしている方を全員速やかに客席内へ入れなくてはいけない、というのが何回やっても慣れず大変なところです。

実際に勤務を始めてみて、想像していたよりもかなり気を張り巡らせる必要があるなと感じています。演奏中は何か物音がしないか、お客様は今何を必要としているのか、など常に目を配っています。

リニューアルオープン以前よりホールで勤務されていた方も多く在籍していますが、皆さん優しく教えてくださるので、勤務の度に勉強させて頂いています。特に印象的だったのは「ただマニュアルを覚えるだけではなくて、今その瞬間に自分が何を必要とされているかを見極めることが大事。だから一緒に頑張ろう」と言っていただいたことです。それ以降自分で考えて少し行動出来るようになったかな、と思っています。その言葉はとても心に残っています。

レセプショニストという仕事の魅力は何でしょう。

ホールで働くこと自体がとても素敵で楽しいことだと勤務の度に感じています。立っている時間は比較的長いですが、仕事が楽しすぎて全然疲れません。ただ筋トレはしていて良かったなと思います(笑)

あとはそうですね、レセプショニストは「チーム」だと、チームの連携が大事だとよく教えていただくのですが、私自身もやはりそれが一番大事だなと思っていて。不明瞭な点はきちんと確認し、気になったことはすぐに共有、報告することで、連携がスムーズに行われます。その結果、お客様から「今日のコンサート良かったよ」とか「ここのレセプショニストは皆さん親切だよね」と声をかけて頂けると、それはとても嬉しいですね。良かったなと安心しますし、これからも頑張ろう!とも思います。


――――ありがとうございました。



「子育てからの新たなチャレンジ」 

星さんがレセプショニストをやってみようと思ったきっかけを教えてください。

音楽が身近にある仕事への憧れから応募に至りました。
横浜みなとみらいホールには子どもが出場する吹奏楽コンクールなどの機会で、何度か演奏を聴きに来たことがあります。その際ホールに一歩足を踏み入れただけで、日常とは違う特別な空間が広がっていることに感動し、その空間へと案内をするレセプショニストの方々がとても優雅で素敵に見えました。実際に見るのとやってみるのとでは大違いで、こんな大変なお仕事だとは想像もしていませんでしたが(笑) 長らく子育てに専念していたため、再び働き始めることに不安もありましたが、「一度チャレンジしてみよう」と思い、リニューアルオープン時の募集に応募しました。

勤務開始から半年ほど経ちますが、だいぶ慣れてきた頃でしょうか。
業務を行う上で苦労した点や印象的だったことなどありますか?

まず、幅広いお問い合わせに対応することに苦労しました。単に座席や時間等の公演に関する質問のみならず、周辺施設に関するお問い合わせも少なくありません。公演中に体調を悪くされるお客様もいらっしゃいますので、突然の出来事にも柔軟に対応できる臨機応変さが必要です。

私自身で音楽の演奏をする経験もなかったため、音楽の知識を習得する必要もありました。横浜みなとみらいホールはパイプオルガン「ルーシー」が有名ですが、ある時オルガンに関することでお客様より質問を受けた際に、詳しくお答えすることが出来ませんでした。分からないことはそのままにせず、帰宅してから調べることで、同様の質問を受けた際にはお答えできるようにしています。

そして、ひとたび演奏が始まると曲間などの決められたタイミングでしか場内の出入りができません。お客様を出来るだけ速やかに座席にご案内するため、演奏中でも常に緊張感をもって行動しています。

レセプショニストという仕事の魅力は何でしょう。

私はまだ自分が任された業務をこなすことに精一杯で緊張の日々ですが、お客様が「いい演奏でしたね」、「親切にしていただいてありがとう」などと声をかけてくださることがあります。その言葉で、楽しんでいただけたのかなと嬉しくなります。

またこの仕事は複数のレセプショニストで協力して公演の進行を支えていきます。仲間と協力し、公演をつつがなく終えるために協調性やホスピタリティ、柔軟性等、多くのスキルを磨いていけることもこの仕事の魅力だと思っています。



  ――――ありがとうございました。

(取材・文・写真:横浜みなとみらいホール運営チーム)

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⇒ インタビュー特集 #2 ホールレセプショニスト 「休館するホールに思いを寄せて」 (配信日:2020年11月10日(火))
⇒ レセプショニスト~おもてなしの心でお客様をお迎えする (配信日:2022年5月20日(金))