横浜みなとみらいホール×Live!横浜2024
埋立地での音楽 汽車道パレード ―本田祐也と梅本佑利―[イベントは終了しました]

2024年11月6日 (水)

没後20年。
稀代の作曲家・本田祐也の楽曲が、横浜の街を舞台によみがえる。

独自のパフォーマンスを繰り広げていたバンド「チャンチキトルネエド」の主宰をはじめ、「若き天才」の名を欲しいままにしながら、26歳の若さでこの世を去った、作曲家・本田祐也。2024年は本田の没後20年にあたります。
遺した楽曲、その数100あまり。楽曲を埋もれさせてはいけないと、2002年生まれの作曲家・梅本佑利の提唱により、この日限りのスペシャルバンドが本田の初期作に息を吹き込みます。
横浜・みなとみらいの港町を舞台に、スペシャルバンドによるパレードと共に、梅本編曲、梅本作曲による本田へのオマージュ等のソロ演奏も加え、チャンチキトルネエドオリジナルメンバーを含む、気鋭の演奏家たちが一日限りのパフォーマンスをお届けします。 2024年によみがえる、美しき疾走するメロディを、目撃してください。 

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本田祐也©小沼慶太郎、梅本佑利©2024 Sophia Hegewal

梅本佑利からのメッセージ

テーマパーク化された埋立地の空間に、かつてのストリート、消された誰かの落書き、港と海の記憶がイマジナリーな声として現れる。大型ショッピングモールの光沢感、流れる時間と都市の物忘れについて考える。一時的に空間を満たす鮮やかな音楽は、一瞬のビオトープ(命+場所)として、再びなにかをそこに集めるだろう。
本田祐也の音楽は、都市や環境への深い共鳴とともに、ストリートからハイカルチャーまでのあらゆる営みが、類まれなるファッションセンスによって魅力的なうねりの運動体を編み出している。 

イベント情報

日時2024年11月17日(日)  
【パレード】  11:00~11:30 ※予定  
【ミニライブ】 12:00~12:20 ※予定
※パレードは雨天中止
会場【パレード】運河パーク出発、汽車道から日本丸メモリアルパークへ
【ミニライブ】クイーンズスクエア横浜 1階クイーンズサークル
出演【パレード、ミニライブ】
コハーン・イシュトヴァーン(クラリネット)  
坂本伽耶(ピッコロ)  
斎藤凛太郎、西村大地(トランペット)  
春木香菜絵(トロンボーン)  
五十嵐賢哉(スーザフォン)  
小林武文、安藤 巴(パーカッション)
【ミニライブのみ】  
鈴木広志(サクソフォン)  
山澤 慧(チェロ)
プロデュース、作・編曲
梅本佑利
小道具デザイン
中島隆誠
企画協力阿部海太郎
曲目【パレード】  
本田祐也作曲:《0》《1》《2》《3》
【ミニライブ】 
本田祐也作曲:《0》《1》《2》《3》
本田祐也作曲・梅本佑利編曲:《団地CIRCUIT for Cello》  
梅本佑利作曲:《shopping mall in landfill for tenor saxophone》
料金観覧無料
お問い合わせ横浜みなとみらいホール 事業企画グループ
045-682-2020(9:00~18:00 ※休館日・保守点検日を除く)

主催:横浜みなとみらいホール(公益財団法人横浜市芸術文化振興財団)
共催:クイーンズスクエア横浜イベント実行委員会

出演者プロフィール
コハーン・イシュトヴァーン(クラリネット) István KOHÁN
ハンガリー出身のクラリネット奏者コハーンは、国際的管楽器ソリストの中での注目される奏者の一人である。 日本におけるキャリアは、リスト音楽院卒業後の2013年 東京音楽コンクールで第1位と聴衆賞を受賞したことから始まり、これまでに15のコンクールで25の賞を受賞。さらにハンガリー芸術賞、青山音楽賞を受賞した。 ソリストとして、アメリカ、中国、フランス、ドイツ、イタリアなどで、ラデク・バボラーク、ヴィキングル・オラフソン、神尾真由子、工藤重典、渡辺玲子、中嶋彰子、萩原麻未、成田達輝、上野通明、郷古廉、クリストフ・バラーティ、イシュトヴァーン・ヴァルダイ、ニルス・モンケマイヤーなどのアーティストと共演。指揮は原田慶太楼、澤和樹、田中祐子、大井剛史、海老原光、円光寺雅彦、現田茂夫、梅田俊明、飯森泰次郎、カールマン・ベルケシュ、アントニオ・メンデスと共演している。 NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の大河紀行のソロ演奏を担当。2016年から2023年まで東京音楽大学、2023年からは洗足学園音楽大学講師として指導を行っている他、「コハーン・メソッド」という自身の指導方法を確立し、若手音楽家のサポートに情熱を注いでいる。また、ハンガリー音楽とクレズマー音楽に囲まれた音楽的に豊かな環境で育ったことを生かし、既存のクラリネットのレパートリーを拡大すべく自身のルーツを表現した作品を精力的に作曲している。近年は音楽活動にとどまらず、写真家・映像作家として自身やアーティストのプロデュース活動も行っている。
©Lakeshore Music
鈴木広志(サクソフォン) SUZUKI Hiroshi
サクソフォン奏者/作曲家。本田祐也とは東京藝術大学での同期にして最愛のライバル。本田が率いたチャンチキトルネエドを没後に引き継ぎ、国内外で旋風を起こした後、同バンドの活動を休止。同時に大友良英氏と出会いでチャンチキトルネエドのメンバーと朝ドラ「あまちゃん」のテーマ曲/劇中音楽を演奏。異例の社会現象となりCDリリースや全国ツアーを行いNHK紅白歌合戦に出場。2024年には同メンバーによる大友良英スペシャルビッグバンドのEUツアーで欧州7カ国で演奏。全公演soldout、スタンディングオベーションの盛況を博した。
©Manami Maeda
山澤 慧(チェロ) YAMAZAWA Kei
古典作品の演奏と並行して現代音楽の演奏や作曲家への委嘱を積極的に行い、チェロの可能性を探求している。2015年以降、20世紀以降に書かれた無伴奏チェロ曲のみを集めたリサイタルシリーズ「マインドツリー」を毎年開催。また2021年には新シリーズ「邦人作曲家による作品集」をスタートさせた。 東京芸術大学附属高校、同大学を経て、同大学院修了。 音川健二、藤沢俊樹、河野文昭、西谷牧人、鈴木秀美、山崎伸子の各氏に師事。 文化庁新進芸術家海外研修員として、フランクフルトにてアンサンブル・モデルンのチェロ奏者、ミヒャエル・カスパー氏のもと研鑽を積む。 藝大フィルハーモニア管弦楽団首席チェロ奏者、千葉交響楽団契約首席チェロ奏者。

坂本伽耶(ピッコロ) SAKAMOTO Kaya
東京音楽大学、パリ·エコール·ノルマル音楽院、リュエイユ·マルメゾン地方音楽院を卒業。その後2年間イタリアにて研鑽を積む。第38回かながわ音楽コンクール第2位、日本フルートコンヴェンションコンクール第2位、第25回フランス国際ジュンヌフルーティストコンクール第1位、フランス国際レ·クレドールコンクール第1位など国内外のコンクールで多数、優勝および入賞。現在、国内オーケストラの客演やソロ•室内楽等の演奏活動を行う。
©Shigeto Imura
斎藤凛太郎(トランペット) SAITO Rintaro
2003年神奈川県生まれ。中学入学と同時にトランペットを始める。これまでにトランペットを吉川禎一、栃本浩規、松島啓治、吉澤達彦に師事。高校在学時より多くのソロコンテストで1位を受賞。現在は学業と平行してスタジオミュージシャンとしても活動している。Newtide Jazz Orchestra所属。



西村大地(トランペット) NISHIMURA Daichi
2007年、神奈川県生まれ。8歳からトランペットを始め、小学校では金管バンドでマーチングを、中学校では吹奏楽部で活動。第39回日本管打楽器コンクールトランペット部門入選。第22回東京音楽コンクール金管部門入選。ジャズ演奏も精力的に行っており、現在みなとみらい Super Big Bandに所属。YouTubeチャンネル「西村大地Tpちゃんねる」では、様々なジャンルの演奏動画を投稿している。ジャズとクラシックの二刀流を目標に、活動の幅を広げている。 これまでに、トランペットを清水康弘、栃本浩規、星野朱音、井川明彦、佐藤友紀、菊本和昭の各氏に師事。



春木香菜絵(トロンボーン) HARUKI Kanae
横浜出身。みなとみらいSuper Big Band、昭和音楽大学ジャズコースを経て、現在トロンボニストとして、ジャズ、 R&Bを中心に活動中。
安ヵ川大樹SE6、中塚武×五十嵐誠イガバンBB、中川喜弘セクステット、Philip Wooバンドなどに参加。




五十嵐賢哉(スーザフォン) IGARASHI Kenya
東邦音楽大学音楽学部を卒業。テューバを大塚哲也、ヨーゼフ・マイヤーホーファーの各氏に、室内楽を庄司恵子、藤井 完の各氏に師事。現在、大手テーマパークバンドへスーザフォン奏者としてレギュラー出演する傍らクラシック・ジャズ・ポップスなど多様なジャンルをコンサートホールやライブハウスなど様々なシーンで演奏するほか、教育機関等への合奏、パート指導、個人レッスンなど後進の指導も精力的に行う。東邦音楽大学実技・演奏研究員、キャノン砲n's、GT Horns、DAREGA Brass Ensemble 、TUBA PARKs、小江戸ブラスファイブ各メンバー。 




小林武文(パーカッション) KOBAYASHI Takeshi
ドラムセットの他、和洋様々な打楽器類を演奏。 現在は自身のグループ「琴鼓'n管」の他、大友良英スペシャルビッグバンド、間を奏でる、小川美潮、sardine head等のバンド・ユニットで活動中。 NHK Eテレ他、TV・映画音楽の作編曲も行う。 2013年NHK朝ドラ「あまちゃん」劇伴演奏に参加、「あまちゃんスペシャルビッグバンド」にて第64回紅白歌合戦に出場。 近年は各地の小学校、ホール、美術館等で打楽器を使用した様々なワークショップにも取り組んでいる。




安藤 巴(パーカッション) ANDO Tomo
千葉県柏市生まれ。打楽器奏者。東京藝大卒。オーケストラ、打楽器独奏、現代音楽、即興音楽などの分野で演奏。最近は自分自身の創作を鋭意模索中。第37回日本管打楽器コンクールにてパーカッション部門第1位




中島隆誠(小道具デザイン) NAKAJIMA Ryusei
アーティスト。2004年生まれ。’22年タガワアートビエンナーレ英展準大賞受賞、GEISAI#21 審査員賞(タカノ綾選出)受賞。パンデミック以降の社会変化やデジタルの世界観を起点として向き合いつつ、その先に人間の想像力が作り出す異様な領域へとつながる方法の得失についてを思考し、表現している。

Ryusei Nakajima《落ちるために書いたことば, super platform》(部分)2024
本田祐也(作曲家) HONDA Yuya
作曲家にして希代のプレイヤー。1999年「チャンチキトルネエド」を結成。バンドを率いて街の様々な場所での野外演奏、アートプロジェクトなど、ライブハウスのみにはとどまらない場所で精力的に出演をかさねる。「東ヨーロッパのクレズマー、ドイツのテクノPOP、豪華伴奏付き演歌、モダーンジャズ、ブラジル北部のラテンミュージック、中国のパンク、パリのシャンソン、ラインが絡み合うバロックミュージック。made in japanの視点から、地球上をグルグル廻るように、様々なスタイルを取り込み、過剰な装飾を施して形にする」(本田祐也/チャンチキトルネエドのチラシより)。心に残るチンドン屋的メロディーを現代的手法でブラスアンサンブルに開花させる独特なパフォーマンスで、異様な勢いを醸し出す一方、映画やファッションなど、ジャンルを超えた活動が注目された。本田は現代音楽の分野でも「現音作曲新人賞」を獲得し、その後大作を発表した演奏会は「佐治敬三賞」を受賞。類い稀な才能で期待を集めるが、2004年急逝。享年26歳。



©小沼慶太郎
梅本佑利(作曲家) UMEMOTO Yuri
2002年東京生まれ。日本のアニメ・キャラクターカルチャーなどのオタク的な文化やネットカルチャーの影響を受けたマキシマリスティックな作風で知られる。作品は日本や欧州で演奏され、これまで、東京・春・音楽祭、ボンクリ・フェス、BBC Proms Young Composer、仙台クラシックフェスティバル、東京オペラシティ BtoC、 テューリンゲン・バッハ週間、エスリンゲン音楽祭、Zamus古楽祭(ケルン古楽センター)などで紹介されている。グラフィックアーティスト、Lee Kan Kyoとの共同制作、ヤマハ株式会社との共同開発による新作の発表、「題名のない音楽会」(テレビ朝日)での坂本龍一作品の公式編曲作業、pays des fées 2024 S/S(東京コレクション)でのファッションショー音楽の制作など、コラボレーションにも積極的。
2022年にアーティスト集団「mumyo」を設立。合同会社無名代表。クマ財団 クリエイター奨学生 第7-8期生。 



©2024 Sophia Hegewald