レポート

吹奏楽部応援プロジェクト! ぱんだウインドメンバーによる吹奏楽ワークショップ&演奏会を実施しました

2023年3月27日 (月)

横浜みなとみらいホールでは「吹奏楽部応援プロジェクト!」と題して、横浜市内の中学校吹奏楽部(2校)にプロの演奏家が出向き、指導を行うワークショップを1月と2月に実施しました。そして、今年はワークショップで教えてもらった成果を発表する演奏会も行いました! その様子をご紹介いたします♪


講師は、吹奏楽へのアツイ思いを持った“ぱんだウインドオーケストラ”のメンバー。 ぱんだウインドオーケストラは、東京藝術大学同期生を中心に2011年に結成され、次世代を担うプレイヤーが揃う新進気鋭の吹奏楽団です。
サクソフォン奏者の上野耕平さんがコンサートマスターを務め、メンバーは続々と国内外のコンクールで入賞を果たしているほか、プロの演奏家として各方面で活躍しています。
(楽団名は結成同時期に上野動物園にやってきた二頭のパンダに由来しているとのこと!)

ワークショップは、最初に“ぱんだウインドオーケストラ”の名刺代わりに、前久保諒作曲「PANDASTIC!!」を講師メンバーで演奏いただき、その後パート練習に分かれてじっくりご指導いただきました。
そして最後には、講師メンバーも合奏に加わり、全員で演奏!
プロの演奏家の音が隣で聴こえるとみんなの表情が輝き、素晴らしいサウンドとなりました。指揮をしてくださった先生が「おぉ~すごい!」とつぶやく場面も。


1/22(日)横浜市立上菅田中学校(保土ケ谷区)

講師:
飯塚悠紀(フルート)、春田 傑(クラリネット)、住谷美帆(サクソフォン)、信末碩才(ホルン)、犬飼伸紀(トランペット)、木村雅樹(トロンボーン)、佐藤采香(ユーフォニアム)、芝 宏輔(テューバ)、岡本文音(コントラバス)、竹内美乃莉(パーカッション)

第一弾は、上菅田中学校 吹奏楽部へ伺いました。 講師メンバーとともに学校に到着すると、音楽室に全員集合しており準備万端。少し緊張した様子が伝わってきました。 最初に講師のご紹介を行い、“ぱんだウインドオーケストラ”のために作曲された、爽やかなマーチ「PANDASTIC!!」を今回だけの特別編成で演奏。

各パートに分かれ、基礎練習と指導曲【フィリップ・スパーク:陽はまた昇る】を中心に練習を行いました。各パートそれぞれに講師が付き、座り方や楽器の構え方、息の使い方、音色について、楽器のメンテナンスなど、楽器を演奏するにあたっての基礎からじっくり指導されていました。 

クラリネット練習風景

息の使い方を具体的なイメージ(壁を押すように息を出す、圧力をかけるように長く…など)を伝えて説明。イメージを持って吹くと音色が全然違います!

ホルン練習風景

金管楽器の基礎練習の中で重要なリップスラー(タンギングせずに音を変えること)を念入りに練習していたホルンパート。短時間で楽器もよく鳴るようになりました。 

合奏風景

ワークショップの最後には、講師メンバーも合奏に加わり、全員で《陽はまた昇る》を演奏!講師から曲のストーリーや情景をもっとイメージするようアドバイスを受けると、2回目の演奏は強弱やサウンドが豊かになりました。



2/5(日)横浜市立中川西中学校(都筑区)

講師:
大久保祐奈(フルート)、倉澤唯子(オーボエ)、篠塚友里江(クラリネット)、栗林愛理(ファゴット)、上野耕平(サクソフォン)、信末碩才(ホルン)、犬飼伸紀(トランペット)、山下純平(トロンボーン)、佐藤采香(ユーフォニアム)、芝 宏輔(チューバ)、地代所 悠(コントラバス)、竹内美乃莉(パーカッション)

第二弾は、中川西中学校 吹奏楽部へ。 学校に入り音楽室へと向かう廊下で、「こんにちは!よろしくお願いします!」と元気に迎えてくれたのが印象的でした。

講師メンバーでの「PANDASTIC!!」では、間近で聴く演奏にみんなの嬉しそうな表情がマスク越しからでも伝わってきました。

「PANDASTIC!!」演奏後は、今回の指導曲【鈴木雅史:マーチ「ブルー・スプリング」】を生徒さんが演奏し、講師の方々に聴いていただいたうえで、パート練習へ。
パート練習では基礎練習と指導曲を中心に取り組みました。

サクソフォン練習風景

マーチ「ブルー・スプリング」の指導中。同じ箇所を何度も練習し、回数を重ねるごとに良くなり、地道な練習の大切さを実感しました。

ユーフォニアム練習風景

音色や響きの作り方を丁寧に指導。空気に色をつけるように、息を入れて音をイメージするようにと、意識して音を出すことで音色がとても良くなりました。

合奏風景

ワークショップの最後には、講師メンバーも合奏に加わり、全員で《ブルー・スプリング》を演奏!1回目の演奏後に各講師からそれぞれアドバイスを受け、2回目の演奏へ。音の鳴りやテンポ感が良くなり、より爽快感がある演奏になりました!



2/26(日)「横浜みなとみらいホールPresents MUSIC DAY」演奏会

今年は各校に出向いてのワークショップのほか、披露演奏会を2/26(日)に行いました。各学校の演奏のなかで、ワークショップでの指導曲には、ぱんだウインドオーケストラメンバーも加わり共演しました!

ぱんだウインドオーケストラ 出演メンバー:
飯塚悠紀(フルート)、倉澤唯子(オーボエ)、照沼夢輝(クラリネット)、栗林愛理(ファゴット)、上野耕平(サクソフォン)、信末碩才(ホルン)、犬飼伸紀(トランペット)、山下純平(トロンボーン)、佐藤采香(ユーフォニアム)、芝 宏輔(チューバ)、岡本文音(コントラバス)、竹内美乃莉(パーカッション)

ぱんだウインドオーケストラメンバー演奏の様子 

各校の演奏冒頭には、ぱんだウインドオーケストラメンバーによる演奏を1曲ずつ届け、各校にエールを送りました。

<演奏曲>
前久保 諒:Welcome to PANDA!
前久保 諒:PANDASTIC!!

そして、中川西中学校、上菅田中学校ともに元気いっぱいの演奏を披露してくれ、演奏が始まると多くの方が足を止めて聴いてくれました。ぱんだウインドオーケストラメンバーも袖で演奏を温かく見守っていました。
ワークショップでの指導曲では、ぱんだウインドオーケストラメンバーも加わり、一緒に演奏を披露。みんなの生き生きとした表情が印象的で、素晴らしい演奏となりました。プロとの共演が生徒の皆さんにとって、かけがえのない経験となってくれたら嬉しく思います。

横浜市立中川西中学校の演奏
ぱんだウインドオーケストラメンバーとの共演(中川西中学校)
<共演曲> 鈴木雅史:マーチ「ブルー・スプリング」
横浜市立上菅田中学校の演奏
ぱんだウインドオーケストラメンバーとの共演(上菅田中学校)
<共演曲> フィリップ・スパーク:陽はまた昇る



「吹奏楽部応援プロジェクト!」でのワークショップと披露演奏会を通して、生徒や講師の方々の多くの笑顔を見ることができ、あらためて音楽の持つ素晴らしさを実感しました。そして、間近でプロの演奏家の音を聴き教えてもらうことで、技術の向上だけでなく、音楽の楽しさを感じていただくことができました。

横浜は吹奏楽発祥の地と言われていますが、横浜みなとみらいホールでも、小中学生・高校生・大学生の吹奏楽部からアマチュアの吹奏楽団まで幅広い層の吹奏楽団が演奏を披露しています。
横浜みなとみらいホールにもぜひ足をお運びいただけたら嬉しいです。

文・写真 横浜みなとみらいホール 事業企画グループ